浄化槽管理士
浄化槽管理士の概要
じょうかそうかんりし
日本の家庭の多くは排水の手段として下水道を使用していますが、決して浄化槽が使われなくなったわけではありません。それどころか、設置費用や維持費が比較的安価で大規模災害にも強いなどといった理由からその価値を見直す動きもあるほどです。
そして、浄化槽の維持に深くかかわっているのが浄化槽管理士です。
浄化槽管理士とは?
浄化槽はトイレやお風呂、洗濯などで生じた排水を一カ所に集めて浄化する施設ですが、浄化槽管理士はそれを保守点検したり、修理したりするための資格です。全国には約800万の浄化槽が設置されていると言われており、それらに対して定期的に調整点検、水質検査、消毒剤や水処理剤の補充、害虫駆除などを行うことが法律で義務付けられています。ところが、浄化槽に対して浄化槽管理士の数は全く足りてないのが現実です。
そのため、全国の浄化槽維持管理会社は常に求人募集を行っています。したがって、浄化槽管理士の資格を取得すればそれだけ就職や転職が有利になります。特に、会社の倒産やリストラなどで再就職を余儀なくされた中高年にとって、浄化槽管理士の資格を取得して浄化槽関連の会社に転職というコースは、有力な選択肢のひとつになるでしょう。ちなみに、浄化槽の維持管理会社に就職した場合、給与は会社によっても異なりますが、17万円~24万円程度がひとつの目安となります。
また、浄化槽管理士に似た資格として浄化槽設備士があります。こちらは浄化槽を設置する際に必要な資格です。住宅やマンションを建築・リフォームする際、浄化槽の施工図を作成したり、設置工事の指導・監督を行ったりするのが主な業務となります。
他にも、浄化槽技術管理者、浄化槽清掃技術者といった資格があり、いずれも講習のみで取得が可能です。ただし、技術管理者は受験資格として浄化槽管理士の資格を得ていることが必須条件ですし、清掃技術者は浄化槽の清掃実務経験が2年以上必要となります。