施工管理技士は、建設工事の施工計画や工程、安全、品質などを管理するための国家資格です。

建築施工管理技士や土木施工管理技士、電気工事施工管理技士など複数の検定種目があり、それぞれ1級と2級に分かれています。

施工管理技士になるためには第一次検定と第二次検定に合格する必要がありますが、受検資格は2024年度から大きく変更されました。

現在の制度では、1級の第一次検定は試験実施年度に19歳以上、2級の第一次検定は17歳以上になる人であれば、原則として学歴や実務経験にかかわらず受検できます。

一方、第二次検定には一定の実務経験が必要です。

さらに、2028年度までは経過措置として、2023年度までの旧受検資格を利用できるため、

「新制度ではいつから第二次検定を受けられるのか」

「今まで積んできた実務経験は利用できるのか」

と迷う方もいるでしょう。

本記事では、2026年度時点の施工管理技士の受検資格について、1級・2級それぞれの条件や2024年度からの制度変更、必要な実務経験についてわかりやすく解説します。

実際の受検資格や対象となる実務経験は検定種目によって異なる場合があります。

受検する際は、国土交通省の情報だけでなく、建築・土木・電気工事など各試験機関が公開する最新の「受検の手引」も必ず確認してください。

参考:国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001707687.pdf

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施工管理技士とは

施工管理技士とは、建設業法に基づく「施工管理技術検定」に合格することで取得できる国家資格です。

施工管理の仕事では、工事そのものを施工するだけではなく、計画通りに工事が進んでいるか、安全な作業環境が確保されているか、求められる品質を満たしているかなどを管理する必要があります。

施工管理技術検定には、土木・建築・電気工事・管工事・造園・建設機械施工管理・電気通信工事などの種目があります。

取得した資格や工事業種などの条件を満たすことで、建設業法上の主任技術者や監理技術者などになるための資格として活用できます。

1級と2級の違い

施工管理技士には1級と2級があり、大きな違いは建設業法上、担当できる技術者としての範囲です。

2級施工管理技士は、対応する建設業種において主任技術者になるための資格として活用できます。

一方、1級施工管理技士は主任技術者だけでなく、一定の条件を満たすことで監理技術者になることもできます。

そのため、大規模な工事やより責任の大きい立場で施工管理を担当したい場合は、1級取得を目指すことになります。

また、第一次検定だけに注目すると、2級は17歳以上、1級は19歳以上から受検できます。

「まず2級を取得しなければ1級を受けられない」という仕組みではありません。

年齢条件を満たしていれば、1級第一次検定から受検することも可能です。

第一次検定と第二次検定の違い

施工管理技術検定は、「第一次検定」と「第二次検定」の2段階に分かれています。

ここは比較した方がわかりやすいため、違いを整理すると次の通りです。

項目

第一次検定

第二次検定

主な目的

施工管理に必要な基礎的・専門的な知識や能力を確認

実際の施工管理に必要な応用能力などを確認

実務経験

原則不要

一定の実務経験が必要

合格後

施工管理技士補

施工管理技士

1級第一次検定に合格すると「1級施工管理技士補」、2級第一次検定に合格すると「2級施工管理技士補」となります。

その後、第二次検定の受検資格を満たし、第二次検定に合格すると施工管理技士となります。

新制度では、

第一次検定合格 → 施工管理技士補 → 実務経験 → 第二次検定合格 → 施工管理技士

という流れが基本です。

施工管理技士の受験資格は2024年度から変更

施工管理技術検定の受検資格は、2024年度から変更されました。

特に大きく変わったのが、1級第一次検定と第二次検定の受検資格です。

以前は、学歴や指定学科、卒業後の実務経験年数などが受検資格に大きく影響していました。

新制度では第一次検定の条件が年齢を中心としたものになり、第二次検定では第一次検定合格後に積んだ実務経験を基本として受検資格を判断する仕組みになっています。

新制度と旧制度の違い

旧制度では、大学・短期大学・高校などの学歴や指定学科によって、必要となる実務経験年数が異なっていました。

そのため、同じ年齢で同じような仕事をしていても、卒業した学校や学科によって第二次検定を受けられる時期が変わることがありました。

新制度では、この考え方が大きく変更されています。

1級第一次検定については、試験実施年度に19歳以上となる人であれば、学歴や実務経験を問わず受検可能です。

2級第一次検定は従来から17歳以上で受検でき、新制度でもこの年齢条件が基本となっています。

第二次検定については、第一次検定合格後の実務経験を中心に受検資格を判定します。

つまり、新制度では、

という流れがわかりやすくなりました。

新制度では、原則として「建設会社に何年勤めたか」ではなく、必要な資格取得後にどのような実務経験を何年間積んだかが重要になります。

2028年度までの経過措置

制度改正によって、すでに旧制度の条件を前提として実務経験を積んできた人が不利にならないよう、経過措置が設けられています。

2024年度から2028年度までの第二次検定では、新受検資格と旧受検資格のどちらかを選択して受検できます。

旧受検資格では、大学、高校などの学歴や指定学科によって必要な実務経験年数が異なります。

一方、新受検資格は第一次検定などの合格後に積んだ実務経験を中心に判断します。

すでに長期間の実務経験がある人の場合、新制度より旧制度を利用した方が早く第二次検定を受けられるケースもあります。

そのため、2028年度までに第二次検定を受ける人は、新旧どちらの条件を満たしているのか確認したうえで申請方法を選ぶことが重要です。

なお、2026年度から建築・電気工事施工管理技術検定では、新受検資格による申請がインターネット申請のみへ変更されています。

参考:国土交通省「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令等について」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk1_000001_00027.html

1級施工管理技士の受験資格

1級施工管理技士になるためには、第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要があります。

第一次検定と第二次検定では受検資格が大きく異なるため、それぞれ分けて確認しましょう。

第一次検定の受験資格

1級施工管理技術検定の第一次検定は、試験実施年度に19歳以上となる人であれば受検できます。

2026年度の場合は、2008年4月1日以前に生まれた人が対象です。建築施工管理技術検定でも、この年齢条件が公式に示されています。

第一次検定では、

という点が特徴です。

そのため、高校卒業後すぐに建設会社へ入社した人や、大学・専門学校に在学している人でも、年齢条件を満たしていれば受検できます。

第一次検定に合格すると、**「1級施工管理技士補」**の資格を取得できます。

第一次検定に合格しただけでは「1級施工管理技士」ではない点には注意しましょう。

施工管理技士になるためには、その後に第二次検定の受検資格を満たし、第二次検定にも合格する必要があります。

参考:一般財団法人建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定のご案内」
https://www.fcip-shiken.jp/ken1/

第二次検定の受験資格

1級施工管理技術検定の第二次検定では、一定の実務経験が必要です。

新制度における代表的な受検ルートには、次のようなものがあります。

1級第一次検定合格後に5年以上の実務経験を積むルートが基本ですが、一定の条件を満たす「特定実務経験」を含む場合は、3年以上へ短縮できるルートもあります。

また、監理技術者補佐として1年以上の実務経験を積む方法もあります。

ただし、「監理技術者の仕事を手伝った」というだけでは、監理技術者補佐としての実務経験にはなりません。

国土交通省は、建設業法に基づいて監理技術者の職務を専任で補佐する技術者として配置された経験を対象としています。

1級第二次検定は受検ルートが複数あるため、自分がどの区分に該当するのかを最新の受検の手引で確認することが重要です。

2級施工管理技士の受験資格

2級施工管理技士も、第一次検定と第二次検定の両方に合格することで取得できます。

第一次検定は比較的早い年齢から受検できるため、建設業界へ就職する前後から資格取得を目指すことも可能です。

第一次検定の受験資格

2級施工管理技術検定の第一次検定は、試験実施年度に17歳以上となる人であれば受検できます。

2026年度の2級建築施工管理技術検定では、2010年4月1日以前に生まれた人が対象です。

1級と同様に、

となっています。

そのため、高校在学中でも年齢条件を満たしていれば第一次検定を受検できます。

第一次検定に合格すると、2級施工管理技士補となります。

第二次検定の受験資格

新制度における2級第二次検定では、第一次検定などの合格後に一定の実務経験を積む必要があります。

代表的な受検ルートは、

というものです。

つまり、2級第一次検定に合格した場合は、その後3年以上の実務経験を積むことで第二次検定の受検資格を得るのが基本となります。

一方、すでに1級第一次検定に合格している場合は、その合格後1年以上の実務経験によって2級第二次検定を受検できるルートがあります。

また、2028年度までは旧受検資格も利用できます。

旧制度では、大学、高校などの学歴や指定学科によって必要な実務経験年数が変わります。

新制度と旧制度では「実務経験として数え始める時点」が異なるため、単純に年数だけを比較しないよう注意が必要です。

参考:一般財団法人建設業振興基金「2級建築施工管理技術検定のご案内」
https://www.fcip-shiken.jp/ken2/

施工管理技士の受験資格に必要な実務経験とは

第二次検定の受検資格を確認する際に、特に注意したいのが「実務経験」の考え方です。

建設会社に在籍していた期間が、そのまますべて施工管理技士の実務経験になるわけではありません。

受検する検定種目に対応した工事で、対象となる施工管理業務などに従事している必要があります。

また、新受検資格では原則として工事ごとに従事期間などを記載し、工事請負者の代表者や請負工事の監理技術者などによる証明が求められます。

実務経験として認められる業務

施工管理技術検定における実務経験では、対象となる建設工事で施工管理などの技術上の業務に従事していたかどうかが重要です。

工事現場で工程管理、品質管理、安全管理などを担当した経験は、工事内容や検定種目などの条件を満たしていれば実務経験として認められる可能性があります。

一方、建設会社で働いていても、施工管理とは関係のない一般的な営業や総務、経理などの業務だけを担当していた期間は、基本的に施工管理の実務経験とは異なります。

考え方としては、

「どの会社に何年間在籍したか」ではなく、「どの工事で、どの期間、どのような技術上の業務を担当したか」

を確認する必要があります。

新受検資格では実務経験の証明方法も厳格化されており、原則として工事ごとの情報を記載して証明を受けます。

そのため、将来的に第二次検定を受ける予定がある場合は、担当した工事名や工期、自分が担当した業務などを日頃から整理しておくとよいでしょう。

実務経験年数の数え方

新制度における実務経験年数は、第一次検定などの所定の資格に合格した後の経験を中心に計算します。

1級の場合、1級第一次検定合格後に5年以上の実務経験を積むルートでは、第一次検定の合格後から対象となる経験を積み上げます。

2級の場合も、2級第一次検定合格後3年以上というルートを利用するのであれば、第一次検定合格後の経験が対象です。

なお、制度改正が行われた2024年4月1日より前に第一次検定へ合格している場合でも、2021年度以降の第一次検定合格後の経験は、新制度の実務経験として算入できます。

また、実務経験期間は同じ期間を二重に数えることはできません。

複数の工事を同じ月に担当していたとしても、実務経験期間そのものが2か月分になるわけではなく、原則として1か月分として算入します。建築施工管理技術検定の手引でも、この考え方が示されています。

一方、2028年度まで利用できる旧受検資格では、卒業後の実務経験年数などをもとに受検資格を判断します。

そのため、自分の受検資格を確認するときは、

新受検資格か旧受検資格か

↓

1級か2級か

↓

第一次検定か第二次検定か

↓

どの資格・学歴・実務経験を利用するか

という順番で整理するとわかりやすくなります。

「建設業界で○年間働いたから受検できる」と自己判断せず、申請する年度・検定種目の最新の受検の手引で確認してください。

国土交通省「施工管理技術検定の受検資格見直しのお知らせ」
https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_fr1_000001_00026.html

将来的に施工管理技士の第二次検定を受検する予定がある場合は、受検直前になって過去の実務経験を整理するのではなく、日頃から「どの工事に、いつ、どのような立場で携わったのか」を確認できる状態にしておくことが重要です。

特に複数の現場を並行して管理している建設会社では、担当した工事や従事期間などの情報が、日報・Excel・紙の書類などに分散してしまうことがあります。

施工管理技士の受検申請だけでなく、技術者の配置や施工体制を適切に管理するためにも、現場ごとの情報を継続して蓄積できる仕組みを整えておきましょう。

クラフトバンクオフィスでは、案件ごとに営業段階から施工・完工までの情報を一元管理できるほか、日報や写真・文書などの現場情報もまとめて管理できます。

普段から工事ごとの情報を蓄積しておけば、過去案件の確認が必要になった際にも情報を探しやすくなり、担当者個人の記憶や複数のExcelファイルだけに依存した管理を防ぎやすくなります。

資格取得を目指す従業員が増えるほど、個人の資格取得支援だけでなく、その根拠となる現場・案件情報を会社として整理しておくことも重要です。

施工管理技士の育成を含め、現場・案件情報の管理を効率化したい場合は、クラフトバンクオフィスの活用もご検討ください。

クラフトバンクオフィスはこちら
https://craft-bank.com/office/

まとめ

施工管理技士の受検資格は、2024年度から大きく変更されました。

現在の新制度では、1級第一次検定は試験実施年度に19歳以上、2級第一次検定は17歳以上となる人であれば、原則として学歴や実務経験にかかわらず受検できます。

第一次検定に合格すると施工管理技士補となり、その後、必要な実務経験を積んで第二次検定に合格することで施工管理技士となります。

新制度における代表的な条件は、

です。

また、2028年度までは経過措置として旧受検資格を利用した第二次検定の受検も可能です。

すでに長期間の実務経験を積んでいる人は、旧制度を利用した方が早く第二次検定を受けられる場合もあるため、新旧両方の条件を確認しましょう。

施工管理技士の受検資格では、実務経験として認められる工事や業務、必要な経験年数、証明方法などが重要になります。

受検資格は検定種目や申請区分によって細かな条件が異なるため、最終的な判断は必ず国土交通省や試験実施機関が公開している最新情報を確認してください。