解体工事施工技士
解体工事施工技士の概要
かいたいこうじせこうぎし
どんな建築物でもいずれ解体しなくてはならない日がやってきます。しかし、解体とはただ壊せばよいというものではなく、周囲の建物や環境への影響を考えながら行う非常にデリケートな作業です。当然、熟練の技術や深い知識が求められます。
そして、それらを有する証となる資格が解体工事施工技士です。
解体工事施工技士とは?
解体工事技士とは国家資格のひとつで、これを取得すれば500万円未満の解体工事を行う際に必要な解体工事業に登録し、その現場の技術管理者になることができます。現場に立って作業員に指揮をしながら解体作業が行えるようになるわけです。ただ、この資格は自動車免許と同じように更新制で、5年に1度講習を受けて更新をしなければならないので注意が必要です。
また、解体施工技士の資格を活かした就職先としては、解体工事を取り扱っている土木・建設関連企業などが挙げられます。500万円未満の解体工事を行う際には必ずこの解体施工技士が現場に1名以上いなければならいため、そうした企業に優遇される可能性は高いでしょう。さらに、解体工事施工技士として実績を積めば、関連企業への転職の際にも有利になるはずです。資格所得者の平均年収は350万円程度と言われていますが、技術管理者として現場指揮を行っていれば給料の上乗せも期待できるでしょう。
ただし、解体工事施工技士の資格はあくまでも500万円未満の軽微な解体工事に特化したものなので、建設業許可を得る条件とはなりません。したがって、将来的に独立を考えていたり、さらなるキャリアップを目指していたりする人は土木施工管理技士や建築施工管理技師といった施工管理技士の資格の取得も視野に入れておいた方がよいでしょう。ただ、500万円以上の解体工事を行う場合は解体工事施工技士だけでは作業はできません。建築施工管理技士や土木施工管理技士などの資格をもった専任技術者を置く必要があります。