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軽天工事とは?手順やメリットについて解説

天井や壁の下地には、従来は木製の材料が使われていました。しかし、現在では鋼製の材料を使う軽天工事が広く普及しています。鋼製の材料は、木製下地とは異なる特徴を持ち、多くのメリットを備えているために、店舗や事務所だけでなく一般住宅にも使われるようになってきました。
ここでは、軽天工事の基礎知識と手順、メリットについて解説します。

内装の骨格を作る軽天工事

コンクリート造の躯体に壁や天井、間仕切りなどを設ける際、かつて使われていた木材。しかし、やがて規格化された鋼材が用いられるようになり、それを軽量天井(軽天)と呼ぶようになりました。軽鉄(軽量鉄骨材)、LGS(Light Gauge Steel:ライトゲージスチール)と呼ぶこともありますが、すべて同じものを指します。
軽天工事で用いる材料は軽量鉄骨材という名称のとおり、厚さ0.5mm程度の鋼材です。薄く軽量で切断や穴開けなどの加工が容易なので、天井材に使うには最適です。従来は店舗や事務所に使われることが多かったのですが、近年では一般住宅でも用いられるようになってきました。また、天井だけでなく壁や間仕切りなどにも広く使われています。

店舗によっては、店内に内装を施さず、あえてコンクリートをむき出しにしていることがあります。その場合、天井に配置された配管や電線などもむき出しになり、見た目に良いものではありません。そこで、天井や壁に石膏ボードを貼り、さらにクロスなどの仕上げ材できれいに仕上げるのですが、その土台となるのが軽天です。
軽天で天井を作る場合には、格子状に組み合わせた鋼材を躯体天井からつり下げるように取りつけます。壁や間仕切りを作る場合には、仕上がりの壁面に合わせて鋼材を取りつけ、壁材の下地とします。
軽天は壁や天井の土台となるもので、曲がりやゆがみがあるとそれがそのまま天井や壁のゆがみとなって表れてしまいます。水平・垂直の管理と正確な施工が必要な工事なのです。

天井での軽天工事の手順

ここからは、軽天工事の手順について解説します。それぞれの手順での作業について知っておきましょう。
まずは、天井での軽天工事の手順です。

まず、天井のコンクリート躯体に一定間隔でドリルを使って穴を掘り、そこに筒状のアンカーを打ち込みます。アンカーの内側には雌ネジが切られていて、この部分が軽天を支える基礎となっているのです。
打ち込まれたアンカーは躯体コンクリートにしっかり食い込んで固定され、内装材を含めた軽天を支えられる十分な強度を持つよう設計されていますが、打ち込みが不十分だと脱落することもあるため、確実な施工が必要になります。

アンカーの雌ネジにつりボルトと呼ばれる長いボルト棒を取りつけます。一般には3/8インチ、あるいは3分ボルトともいわれる約9.5mm径のボルトが使われますが、より重量のある天井を作る場合にはもう少し太い4/8インチ、約12.7mm径の4分ボルトが使われることもあります。
このように、基本的には3分ボルト、より大きな重量を支えるべきところには少し太い4分ボルトを取りつけていきます。そして、つりボルトの先端には、天井材の基礎となる鋼材を支えるためのハンガーが取りつけられます。このハンガーをつりボルトに沿って上下させ、最終的な天井の高さを決めます。

ハンガーに長い鋼材を取りつけ、さらにその下に別の鋼材を格子状にビス留めしていきます。こうすると、鋼材で作った格子が躯体天井からつり下げられた格好になります。
この格子上になった鋼材に石膏ボードをビス留めし、クロスなどの天井材を貼って内装を仕上げていきます。

壁や間仕切りの軽天工事の手順

次に、壁や間仕切りでの軽天工事の手順について解説します。
壁や間仕切りの場合は、天井の軽天工事よりも手順がシンプルです。

まずはランナーを取りつけます。壁や間仕切りの仕上がり位置に合わせて、天井と床にランナーと呼ばれる鋼材を打ちつけます。ランナーは、壁の土台となる鋼材をはめ込むためのレールのようなものです。

続いて、壁の土台となるスタッドという鋼材の取りつけを行います。スタッドを必要な長さに切断し、天井と床のランナーにはめ込んでいきます。間仕切り壁の場合も同様で、天井と床のランナーに一定間隔でスタッドをはめ込みます。
また、天井まで届かない低い壁の場合でも、ランナーとスタッドで作ることが可能です。鋼材に切れ目を入れれば曲げることもでき、曲線のある壁も軽天工事で対応できるのです。
店舗や企業の受付などの軽天工事では、単純な曲面だけでなく、舟型やお椀型の天井や、ひな壇状の段差を設けたりすることもあります。こうした形状も軽天で対応できますが、正確な施工が必要になるため、十分な技量が求められます。

軽天のメリットとは?

天井や壁、間仕切りの造作には、従来は木材が使われてきました。しかし近年では、店舗や事務所ばかりでなく、一般住宅にも軽天が使われるようになっています。
最後に、軽天ならではの4つのメリットについてご紹介しましょう。

軽天は、構成部品のほぼすべてが鋼製です。木材と比べると燃えにくいという性質を持っています。そのため、多くの人が集まる店舗や企業の事務所などに用いるには、最適な素材といえるでしょう。こうした特徴があるため、一般住宅にも軽天が使われるようになり、木材の下地は木造一戸建て住宅に限られるほどになっています。火を扱うキッチン周りの造作には最適な素材です。
また、軽天には多くの場合、天井材や壁材の下地として石膏ボードが貼られますが、この石膏ボードも防火性・耐火性が高く、たとえ火災が発生して高温にさらされても、温度の上昇を遅らせて、熱の伝導を防いでくれます。そのため、天井だけでなく、壁の間仕切りに使うことで万一の火災の際には延焼を防ぐ効果があります。

木材は、木目による反りや曲がりのほか、乾燥によって割れが起こったり、湿気を吸うことでサイズの狂いが生じたりします。ひどいときには、作業現場に納入した時点ですでに曲がりが出ているということもありますし、施工直後は異常がなくても、年月とともにゆがみが現れることもあります。
また、場所によっては虫食いや腐食が起こり、そのために十分な強度を保てなくなってしまうこともあります。
しかし、軽天であれば木材の持つこれらのデメリットを、すべて解決できます。軽天のパーツは薄いものの、十分な強度を保てるようになっているため、簡単にゆがんだり曲がったりということがありません。湿気の影響を受けず、腐食や虫食いの心配もなく、長く使うことができます。

十分な強度を持ちながら、軽量で加工しやすいというのも、軽天の大きな特徴です。天井や壁への負荷が少なく、現場への搬入が容易で造作作業がしやすいなど、多くのメリットがあります。現場の状況に合わせてランナーやレールをカットして、きれいに施工することもできるのです。
ただ、木材のように薄い材料を貼り合わせて厚みの調整をしたり、部分的に切ったり削ったりということは軽天には向いていません。
こういった軽さと作業性・加工性の良さは、そのまま工期の短縮につながります。短期間で工事が完了することは大きなメリットです。

木材は、自然素材のため品質にばらつきがあり、需要と供給のバランスによって価格が上下することもあります。
しかし、軽天の構成素材は工場での大量生産ができるため、品質が均等で供給が安定しており、木材よりも低価格で調達することができます。また、工期を短縮することもできるので、人件費も抑えられコストの抑制にもつながります。
建て替えやリフォームの際にも木材は廃棄されることになりますが、軽天の鋼材はリサイクルが可能。環境にも優しい素材です。

人目につかないところで役に立つ軽天

天井や壁などの土台となる軽天工事。その上に施す内装が仕上がったら、その下地が人の目にふれることはまずありません。その下地を軽天工事でしっかり組み上げることで、天井も壁も十分な強度を保つことができます。
また、軽天の中に断熱材を敷き込むことで防音や遮熱など、さらなる機能性を持たせることもできます。居心地が良い安全な空間を作るために、軽天工事は大きな役割を担っているのです。

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