施工管理システムは、工程管理や実行予算、原価管理、作業日報など、工事に関わる情報を一元管理できるシステムです。現場と事務所の情報共有をスムーズにし、業務効率化だけでなく、工事ごとの利益をリアルタイムで把握できることから、多くの建設会社で導入が進んでいます。
一方で、施工管理システムは数多く存在するため、「自社にはどのシステムが合うのか分からない」「導入しても現場に定着するか不安」と悩む経営者の方も少なくありません。
本記事では、施工管理システムの基本的な機能や料金相場、おすすめの施工管理システム7選、失敗しない選び方までわかりやすく解説します。
「施工管理システムの導入、何から始めればいいかわからない…」「費用もかかるし、現場に合わないシステムを選んでしまうのが怖い…」そんな建設業のお悩みをクラフトバンクが解決します。経営改善・業務効率化・DX推進・採用強化まで、お気軽にご相談ください。
施工管理システムとは

施工管理システムとは、工事の着工から竣工、あるいは最終的な入出金管理に至るまでのあらゆる業務プロセスを一元管理し、経営層・管理職・現場職人の間でリアルタイムに情報共有を行うためのシステムです。
従来の建設現場では、ホワイトボードでの工程管理、エクセルによる実行予算や歩留まりの計算、紙の出勤簿から起こす作業日報など、すべての情報がバラバラに管理されていました。
これにより、資材の高騰や常用・外注費の膨張といった「原価の変動」が竣工するまで見えず、気付いた時には赤字工事になっていたというケースが後を絶ちません。
施工管理システムを導入することで、現場の出来高や最新の進捗状況、インボイス制度に対応した発注書の発行状況などがすべてデータとしてつながり、二重入力の手間や管理漏れを完全に根絶できます。
施工管理システムの主な機能
施工管理システムが網羅すべき機能は、大きく分けて「工事計画」「現場運営」「収支管理」の3つの軸に分類されます。それぞれのフェーズにおいて、現場実務で求められる具体的な機能の役割を解説します。
工事計画(①実行予算管理・②工程管理)
工事の成否は、着工前の準備フェーズである工事計画が重要になってきます。施工管理システムを整えることで、利益を確実なものとして確保することができます。
- ①実行予算管理: 見積段階のデータから、材料費、労務費、外注費、経費を精緻に分解し、目標粗利を設定した「実行予算」を作成します。
予算に対する進捗を可視化することで、現場での無駄な資材発注や予算超過を未然に防ぎます。
- ②工程管理: ガントチャートを用いた全体工程表や月間・週間工程表を直感的に作成・編集できます。
天候不順や資材遅延による工程変更もドラッグ&ドロップで即座に反映され、現場の職人や外注先へ一斉に共有されるため、連絡ミスによる手戻りをゼロにします。
現場運営(③発注管理・④作業日報管理)
日々の現場運営をデジタル化することで、現場監督の直行直帰を可能にし、事務所へ戻ってからの膨大な事務作業を削減します。
- ③発注管理: 外注先や資材メーカーへの発注書・承諾書の発行、さらにはインボイス制度に対応した適格請求書の確認作業までをシステム内で完計させます。
言った・言わないのトラブルを防ぎ、注文請書の回収状況も一目で把握できます。
- ④作業日報管理: 現場の職人がスマートフォンから「どの現場で」「何の作業を」「何人(人工)で行ったか」を数タップで入力できます。
現場写真や出来高の報告も日報に紐づけて同時にアップロードできるため、現場のリアルタイムな状況が事務所にいながら正確に伝わります。
収支管理(⑤工事原価管理・⑥入出金管理)
経営を安定させるために最も重要なのが、数字のリアルタイム可視化です。現場ごとの粗利や、いついくらお金が入ってくるのかをしっかり管理することは、安定した黒字化に不可欠です️。
- ⑤工事原価管理: 日々上がってくる日報(労務費・常用費用)や、外注先からの請求データを実行予算と自動で照合し、現在の「発注・支払ベースでの原価」および「確定原価」を算出します。
月末を待たずに、現在の工事ごとのリアルタイムな歩留まりや粗利が自動計算されます。
- ⑥入出金管理: 施主からの入金予定日と、協力会社への支払期日を一覧で管理します。工事ごとの資金繰りを明確にし、回収漏れや支払遅延を完全に防ぐことで、会社のキャッシュフローを健全に保ちます。
機能分類 | 主な具体機能 | 導入による現場の変革 |
工事計画 | 実行予算管理、工程管理(ガントチャート) | 予算超過 早期発見、工程変更のリアルタイム共有 |
現場運営 | 発注管理、作業日報管理、写真・図面共有 | 監督の事務負担軽減、直行直帰の実現、連絡ミスの根絶 |
収支管理 | 工事原価管理、入出金管理、請求書紐付け | 竣工を待たないリアルタイム粗利把握、キャッシュフロー安定 |
施工管理システムの料金・金額相場

施工管理システムを導入するにあたり、コストの構造と一般的な金額相場を正しく把握しておきましょう。システムは主に「初期費用」と「月額費用」の組み合わせで構成され、企業の規模や利用人数によって最適な課金形態が異なります。
初期費用の相場
- 0円 〜 30万円程度
クラウド型SaaSの場合、初期費用を0円に設定しているツールや、初期の環境構築・データ移行代行を含めて10万〜30万円程度に設定しているツールが一般的です。ただし、自社独自の基幹システムと連携させる場合や、完全カスタマイズを行うエンタープライズ向けのシステムでは、100万円以上の初期費用が発生するケースもあります。
月額費用の相場(課金形態別の特徴)
月額料金の算出方法は、以下の3つのパターンに大別されます。
- ① アカウント(ID)課金制:月額 1,500円 〜 5,000円 / 1ID 利用する人数分だけ支払う仕組みです。少人数の会社や、社内の特定のメンバーだけで運用を始めたい場合にコストを最小化できます。
- ② 現場数・プロジェクト課金制:月額 20,000円 〜 100,000円程度 利用するアカウント数は無制限で、同時に稼働する現場の数に応じて料金が変動する仕組みです。多くの協力会社や外部の職人をシステムに巻き込みたい元請企業に適しています。
- ③ 定額(パック)制:月額 10,000円 〜 50,000円程度 「60ユーザーまで月額1万円」といった、あらかじめ枠が決められている料金体系です。追加費用の発生を心配することなく、予算化しやすいメリットがあります。
施工管理システムの比較方法

施工管理システムはたくさんの種類があり、自社に合わないシステムを選んでしまうと、莫大な投資が無駄になるだけでなく、現場の離職や混乱を招きます。
以下の4つのステップに沿って、確実に比較・選定を行う必要があります。
1.現場の課題を集める
まずはシステムを探す前に、自社の現場や事務所で「何が原因で業務が滞っているのか」というボトルネックを徹底的に洗い出します。 「現場監督が夜遅くまで事務所でエクセルに入力している」「職人が古い工程表を見て動き、現場で手戻りが発生した」「請求書が集まるまで工事の黒字・赤字が分からない」など、経営層・管理職・現場職人のそれぞれの立場から、現在発生している具体的な不満や課題をリストアップします。
2.課題を解決する必要な機能を選択する
課題が明確になったら、それを解決するために「絶対に外せない機能」を定義します。 単に「多機能だから」という理由で選ぶのは失敗のもとです。例えば、「原価の見える化」が最優先課題であれば、日報と実行予算がダイレクトに連動する原価管理機能が強固なシステムを選ぶべきですし、「現場の連絡ミス削減」が目的ならば、チャット機能や写真・図面共有がスマートフォンで直感的に操作できるシステムを最優先にする必要があります。
3.条件を満たすシステムを複数選ぶ
自社に必要な機能が絞り込めたら、その条件を満たすシステムを2〜3社ピックアップします。 この際、自社の工種(建築、土木、電気、管工事、内装など)や、主な取引形態(元請主体か、下請・常用主体か)の実績があるかどうかを確認します。建設業界は工種や商習慣によって管理手法が大きく異なるため、自社の業態にフィットするシステムを複数選定することが重要です。
4.費用感やサポート内容を比較する
最後に、初期費用・月額利用料といったコスト面と、それ以上に重要な「導入・定着サポート体制」を徹底的に比較します。 どれほど優れたシステムであっても、現場の職人や監督が使ってくれなければただの「絵に描いた餅」です。操作説明会を現場向けに開いてくれるのか、専任の担当者が自社の運用フロー構築まで伴走してくれるのかなど、サポートの「深さ」と「期間」を確認し、費用対効果を見極めます。
おすすめ施工管理システム7選
建設業界で広く利用されている主要な施工管理システム7選について、各サービスが内包する機能の分析と合わせて、客観的に解説します。
(1)ANDPAD|株式会社 アンドパッド
新築住宅やリフォームを中心に、圧倒的なシェアを誇る施工管理システムです。現場の施工管理から受発注、経営管理までを一気通貫でカバーできる網羅性が強みです。
- 内包している機能:
- 工事計画: 〇(② 工程管理)
- 現場運営: 〇(③ 発注管理 / ④ 作業日報管理)
- 収支管理: 〇(⑤ 工事原価管理 / ⑥ 入出金管理)
- 解決できる課題: 現場のコミュニケーション不足、受発注のペーパーレス化、竣工前のリアルタイム粗利管理
(2)サクミル|株式会社プレックス
主に中小規模の工事会社向けに開発された、シンプルで使いやすさを追求したシステムです。ITツールに不慣れな現場でもスムーズに導入できるよう機能を絞り込んでいます。
- 内包している機能:
- 工事計画: △(② 工程管理 ※簡易機能)
- 現場運営: 〇(④ 作業日報管理)
- 収支管理: ×(なし)
- 解決できる課題: 現場情報の共有遅れ、日報作成による残業、紙書類の紛失
(3)現場Plus|株式会社ダイテック
住宅建築会社(工務店)の業務フローに特化した施工管理システムです。1IDあたりのコストを極限まで抑え、協力業者も含めた全員で使う仕組みが整っています。
- 内包している機能:
- 工事計画: 〇(② 工程管理)
- 現場運営: 〇(④ 作業日報管理)
- 収支管理: ×(なし)
- 解決できる課題: 協力業者との連絡ミス、図面の取り違いによる施工ミス、現場監督の巡回負担
(4)現場Hub|現場Hub 株式会社
専門工事会社(下請・職人主体)の現場管理・案件管理に強みを持つシステムです。誰がどの現場に行っているかのリソース・職人手配を視覚的に把握できます。
- 内包している機能:
- 工事計画: 〇(② 工程管理)
- 現場運営: 〇(④ 作業日報管理)
- 収支管理: △(⑤ 工事原価管理 ※一部機能)
- 解決できる課題: 職人の配置被り(ダブルブッキング)、現場ごとの進捗状況のブラックボックス化
(5)テラ施工管理|Terra DX Solutions株式会社
完全無料で基本機能が利用できる、現場コミュニケーションに特化した施工管理アプリです。LINE感覚で使えるチャットと写真共有に特化しています。
- 内包している機能:
- 工事計画: ×(なし)
- 現場運営: 〇(④ 作業日報管理 ※簡易トーク報告)
- 収支管理: ×(なし)
- 解決できる課題: 電話やメールによる連絡の煩雑さ、写真整理にかかる事務負担
(6)KANNA|株式会社 アルダグラム
直感的なUI/UXが最大の特徴であり、業界を問わずノンデスクワーク現場で導入されているプロジェクト管理アプリです。アプリの動作が非常に軽く、現場での使いやすさが支持されています。
- 内包している機能:
- 工事計画: 〇(② 工程管理)
- 現場運営: 〇(④ 作業日報管理)
- 収支管理: ×(なし)
- 解決できる課題: スマホ操作が苦手な職人の不満、現場から事務所への報告遅延
(7)JCCクラウド|JCCソフト株式会社
中堅〜大手のゼネコンや総合建設会社向けに開発された、高度な業務管理システムです。全社的な経営情報の可視化や、複雑な組織階層の権限設定に対応しています。
- 内包している機能:
- 工事計画: 〇(① 実行予算管理 / ② 工程管理)
- 現場運営: 〇(③ 発注管理 / ④ 作業日報管理)
- 収支管理: 〇(⑤ 工事原価管理 / ⑥ 入出金管理)
- 解決できる課題: 大規模組織における経営情報の集約遅れ、社内承認プロセスの停滞
施工管理システム導入時の注意点

過剰な機能を含んだものを入れてしまう
自社の規模や現在のITリテラシーに対して、あまりにも多機能で複雑なシステムを選択することはかえって大きな損失につながります。 大企業向けの重厚なシステムを導入した結果、入力項目が多すぎて現場監督の残業が逆に増えたり、操作方法が分からずに誰も使わなくなったりするケースが多発しています。まずは「日報」と「工程表」だけなど、スモールステップで運用を開始できるシステムを選ぶべきです。
初期サポート皆無のものを選んでしまう
施工管理システムの中には、「システムを納品したので、あとはマニュアルを見て使ってください」というようなものも存在します。初期の操作説明会の開催や、自社のフォーマットに合わせた実行予算の設定など、導入初期に伴走してくれる「人のサポート」はシステムを使いこなす上で必須です。
必要機能が入っておらずオプションでお金を取られてしまう
基本料金や初期費用の安さだけでシステムを選んだ結果、実務で必須となる「原価管理」や「発注書発行」がすべて有料オプションになっており、最終的な月額費用が大きく膨れ上がってしまうケースが散見されます。契約前に、自社がやりたい業務フロー(実行予算から入出金まで)を網羅した場合の「総額料金」を必ず提示させ、隠れた追加費用がないかを確認しなければなりません。
初期サポートが手厚いシステム導入ならクラフトバンクオフィス
クラフトバンクオフィスとは?
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最大の強みは"初期サポート"
施工管理システムは、機能が優れていても現場で使われなければ意味がありません。クラフトバンクでは、システムを導入して終わりではなく、現場に定着するまで会社に出向いて伴走するサポート体制を整えています。
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