建設業経理事務士
建設業経理事務士の概要
けんせつぎょうけいりじむし
建設会社に勤めている人や業界に興味を持っている人は、一度ぐらい「建設業経理事務士」という資格について聞いたことがあるのではないでしょうか。しかし、日商簿記との違いやその資格の重要性について、あまり知られていないこともあります。
建設業経理事務士とは?
建設業経理事務士とは、一般財団法人建設業振興基金が行う建設業法第18条3項に規定されている国土交通大臣登録経理試験における3級及び4級の合格者のことです。3級や4級といった建設業経理事務士の試験では建設業に係る基本的な簿記や簡易な実務処理能力が試されます。それに対して、2級以上は建設業経理士と呼ばれており、建設会社が公共工事に参加する上で必要な「経営事項審査」の評価対象となっているため、評価の高い資格の1つです。また、1級では簿記だけでなく会計学、原価計算などの知識も問われるほか、会社法や企業会計といった法規についての理解力も試されるため、多方面から経営分析ができるような非常に高度な能力が必要といえます。
建設業以外の分野では日商簿記とほぼ同等の資格であるとされており、レベルもそれほど変わりません。ただし、日商簿記は一般的な簿記について広い範囲から出題されているのに対して、建設業経理事務士の試験では建設業に関係のある項目についての出題が多く、勉強範囲としてはやや狭いといえます。そのため、日商簿記の資格を取得後、建設業経理事務士の資格を取るのであれば比較的楽に合格できますが、逆の順番になると苦労することが多いです。
建設業経理事務士を取得することで、有利になるのはやはり建設業界の経理課です。1級や2級になると数万円の資格手当がもらえることもあります。また、何といっても公共工事の入札に参加する上で必須の資格なので、会社側にとっても不可欠な資格といえます。