「手に職をつける」ことを実現するため、建設業界での就業を目指す方も多いでしょう。

しかし、実際に建設業で働くうえでは、どういった職種があるのか事前に把握しておくことが大切です。

この記事では、

について詳しく解説します。

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建設業の主な職種

建設業の職種は、主に以下4つに分類されます。

これらの職種はさらに細分化され、それぞれ業務内容が異なります。

建設業における各職種の分類とその業務内容を理解することが大切です。

分類

含まれる職種

主な役割

施工管理職

土木施工管理/設備施工管理/建築施工管理/プラント施工管理

予算管理・資材発注・工程調整・人員手配

設計職

設備設計/意匠設計/構造設計/CADオペレーター

着工前の設計・図面作成

工事・技術職

職人(とび・建具など)/技術開発

現場での施工、建築材料などの技術開発

営業・事務・管理職

営業/事務管理/維持管理職/安全部門

受注活動・事務サポート・インフラ維持・安全管理

どの職種が不足しているか、誰をどの現場に配置すべきか——職種ごとの状況を正確に把握できていない会社ほど、人材の無駄と現場の混乱が起きやすいです。人材管理を仕組みで整備した会社の支援内容を資料で具体的に確認してみてください。

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建設業の「業種」と「職種」の違い

建設業の仕事を調べていると「業種」と「職種」という2つの言葉が出てきます。混同されやすいですが、指しているものが異なります。

・業種:会社が請け負う工事の種類のこと。建設業法では、建設業許可の区分として29業種が定められています(土木一式工事、建築一式工事、大工工事、左官工事など)

・職種:人が担当する仕事の役割のこと。施工管理、設計、職人、営業などが該当します

たとえば「内装仕上工事業」という業種の会社の中に、施工管理・設計・内装職人・営業といった複数の職種の人が働いている、という関係です。

求人を探すときは職種で、会社の事業内容を調べるときは業種で見る、と整理しておくとわかりやすいでしょう。

建設業許可の29業種の詳細は「建設業許可の要件とは?必要な条件と取得の流れ」で解説しています。

建設業の職種一覧表

建設業の主な職種を、分類ごとに一覧にまとめました。各職種の詳しい仕事内容は、この後のセクションで解説します。

分類

職種

主な仕事内容

関連資格

施工管理職

土木施工管理

インフラ工事の施工管理

土木施工管理技士

施工管理職

設備施工管理

電気・配管・通信・造園の施工管理

電気工事施工管理技士 ほか

施工管理職

建築施工管理

建物の建築に関わる施工管理

建築施工管理技士

施工管理職

プラント施工管理

プラントの工程・リスク管理

必須資格なし

設計職—

設備設計

電気・水道・ガス・空調のレイアウト設計

設計職

意匠設計

建築物のデザイン考案

建築士

設計職

構造設計

安全性を考慮した骨格・土台の設計

建築士

設計職

CADオペレーター

CADによる図面の作成・修正

工事・技術職

職人

現場での専門施工(とび、建具ほか)

各種技能資格

工事・技術職

技術開発

建築材料・工法の開発

営業・事務・管理職

営業

建設工事の受注活動

営業・事務・管理職

事務管理

計画から竣工までの事務サポート

営業・事務・管理職

維持管理職

既存建造物・インフラの点検・保守

営業・事務・管理職

安全部門

現場の危険箇所確認・安全教育

【施工管理職】職種の分類

建設業における施工管理職とは、建設工事の予算管理・資材発注・スケジュール調整・人員の手配といった計画を行う職種のことです。

ここでは、施工管理職の分類である、土木施工管理・設備施工管理・建築施工管理・プラント施工管理について解説します。

土木施工管理

水道や電力、道路やトンネルといったインフラを対象とした施工を行う、土木工事における施工管理を担当します。

土木施工管理が取得すべき国家資格には「土木施工管理技士」があり、1級・2級の2つが存在します。

2級を取得することで主任技術者と名乗ることができ、1級は監理技術者を専任することが可能です。

設備施工管理

電気や配管、通信や造園といった設備に関連する施工・工程管理を行うのが設備施工管理の仕事です。

「電気工事施工管理技士」「管工事施工管理技士」「電気通信工事施工管理技士」といった資格を取得しておくと、実際に働くうえで優位となるでしょう。

建築施工管理

建築施工管理は戸建て住宅やマンション、ビルや商業施設といった建物の建築に関わる施工管理を行う仕事です。

主な業務内容は、以下のとおりです。

なお、建築施工管理の仕事をする際は「建築施工管理技士」の資格を取得すると優位になりやすいでしょう。

プラント施工管理

作業工程におけるリスクやスケジュール管理を担当するのがプラント施工管理者の役割です。

プラントの設計や製造、品質検査などを業務として実施します。

プラント施工管理の仕事に就くうえで必須の資格は特にありませんが、危機管理能力やマネジメントスキルなどを有しておくべきと考えられています。

【設計職】職種の分類

建設における設計職とは、着工前の設計や図面作成を行う仕事です。

設計職の分類である、設備設計・意匠設計・構造設計・CADオペレーターについて詳しく解説します。

設備設計

電気や水道、ガスや空調などの設備におけるレイアウトを担当する仕事です。

建築物におけるインフラの機能性だけではなく、室内環境やランニングコストにも配慮した設計が求められます。

意匠設計

建築物のデザインを考案するのが、意匠設計の仕事です。

依頼主の考えるコンセプトや要望を形にしつつ、工程・予算に応じた最適なプランを考える必要があります。

そのため、依頼主や社内の人間と積極的にコミュニケーションをとり、現実的なプランを考案することが求められるでしょう。

構造設計

建築物の安全性を考慮した設計を行うのが、構造設計です。

建築物や設備の重量はもちろん、自然災害の影響に配慮した骨格や土台の設計が求められます。

依頼者のニーズに応えつつ、建築基準法にクリアできる設計を目指すことが構造設計担当者の重要な役割です。

CADオペレーター

「CAD」と呼ばれるツールを活用し、図面の作成・修正を行うのがCADオペレーターです。

手書きの図面をベースにした作業を行う場合も多いため、図面を読む能力や建築用語の理解力が求められます。

CADのような複雑な作業は、今後台頭が予想されるAIに取って代わりにくい領域であるため、将来性が高い仕事と考えられるでしょう。

【工事・技術職】職種の分類

実際に現場で建築物を作り出すのに力を発揮するのが、工事・技術職です。

ここでは、職人と技術開発の仕事から、工事・技術職の役割を見ていきましょう。

職人

建設業界における「職人」とは、建設に関する特別なスキルを有している人材のことです。

例えば、高所での作業を専門に行う「とび職人」が該当します。

とび職人には、足場の組み立てや強度管理、作業効率化を考慮した段取りの力が求められるでしょう。

また建設業界における職人には「建具職人」も挙げられます。

建具職人とは、障子や扉、襖などの建具を制作・設置する仕事です。

開口部の寸法にマッチする建具を製作するために、繊細さが求められるでしょう。

技術開発

建築材料の開発など、住まいにおける快適性の向上に関わる技術開発を行う仕事です。

コンクリートなどの資材に使用する混合剤を変更し、コストダウンや耐久性アップを目指すといった仕事が例に挙げられます。

なお、新たな技術を開発するうえでは、既存の技術と比べた際のコストアップや、不具合の防止を前提としなければならないため、知識・経験が求められるでしょう。

【営業・事務・管理職】職種の分類

実際に建築の「作業」には携わらないものの、営業・事務・管理職も建築現場において重要な役割を担います。

いわゆる「縁の下の力持ち」である職種の分類について、解説していきます。

営業

建設業界における営業の役割は、自社が取り扱う建設工事を受注することです。

営業は、自社の建設工事について土地の所有者にアピールし、受注のうえで会社の売上を伸ばすことが求められます。

事務管理

建設プロジェクトの計画から竣工までの過程に必要なサポートを提供するのが、事務管理の役割です。

建設業界独自の法律や、規制に関連する特殊な業務を行うこともあるため、業界における専門知識の会得も求められるでしょう。

維持管理職

維持管理職は、現存する建造物やインフラを、健全かつ最適な状態で使用し続けるために重要な仕事です。

年数の経過で劣化する各種インフラは、定期的な点検・メンテナンスが必要不可欠です。

そのため、インフラが正常に作動し続けるための管理を行う維持管理職は、非常に需要のある仕事といえるでしょう。

安全部門

重機の取り扱いや高所作業が発生する現場において、事故のリスクを管理する仕事です。

建築現場での危険箇所の確認や、作業員に対して安全に関する教育を行うこともあります。

【職種別】建設業の適性について

さまざまな職種や役割のある建設業ですが、どういった人が「向いている」とされるのでしょうか。

ここでは、建設業の適性について職種別に紹介しているので、自身がどの職種に向いているのか客観的に把握するうえでの参考にしてください。

施工管理職に向いている人

施工管理職に向いている人の特徴は、以下のとおりです。

設計職に向いている人

以下の特徴に当てはまる人は、設計職に向いているといえるでしょう。

工事・技術職に向いている人

実際に現場で働く工事職や技術職に就くのであれば、以下の適性に自身が当てはまっているか確認しておきましょう。

営業職に向いている人

建築業の営業職は、建築に関する知識に加え、以下の適性に当てはまっていることが大切です。

職種とあわせて覚えておきたい建設業の今後

建設業で働くことを目指す際は、職種の傾向だけでなく「業界」としての動きを把握しておくことも大切です。

ここでは、建設業界の現状や課題、将来性について解説します。

建設業界の現状・課題

建設業界は現状、以下のようなさまざまな課題を抱えています。

<人手不足>
少子高齢化の影響で、建設業就業者数は年々減少しています。特に、若年層の流出が深刻で、このままでは技術継承も難しくなることが懸念されています。

建設業界の若者離れに関しては「建設業の若者離れは当たり前」と言われる理由と今後の対策案で詳しく解説してますので、コチラもご覧ください。

<労働環境の改善>
建設現場は長時間労働や重労働のイメージが強く、若者にとって魅力的な職場とはいえません。近年は改善が進められているものの、依然として課題が残されています。

<生産性の低さ>
建設業界は、他の産業に比べて生産性が低いといわれています。これは、現場作業の多くが手作業に頼っていることなどが原因です。

<コスト上昇>
資材価格の高騰や人件費の上昇により、建設コストも比例して上昇しています。

<デジタル化の遅れ>
建設業界は、他の産業に比べてデジタル化の遅れが目立ちます。これは、IT人材不足や、現場でのIT導入の難しさなどが原因です。

特に問題視されているのが、人手不足やそれに伴う高齢化ではないでしょうか。

国土交通省が発表したデータによると、建設業就業者の現状は以下のとおりです。

また、55歳以上が35.9%、29歳以下が11.7%と高齢化が進行しており、次世代への技術承継が大きな課題となっています。

こういった課題を解決するため、労働水準や待遇の改善、IT化による業務効率化などを対策として考案することが重要になると考えられるでしょう。

建設業界の将来性

課題が多いとされる建設業界ですが、業界としての将来性に関してはポジティブな意見も多くあります。

加えて、今後の課題とされる人材不足をIT技術の推進により解決できれば、業界としてのさらなる発展も期待できるのではないでしょうか。

今後の建設業界に求められる人材の傾向

今後の建設業界においては、現状の課題と将来性にも関連し、以下の特徴に当てはまる人材が求められると考えられます。

責任感が強い

建設の仕事の多くは、多種多様な職種の人材が結束して行うものです。

大勢の人間が関わる仕事においては、自身に与えられた役割をしっかり遂行する、強い責任感が求められます。

特に、人手不足や生産性の低さが課題とされている建設業において、いかに自身の役割を理解し、最適化を図る意識を持つ事が重要と考えられるでしょう。

発想力に優れている

今後の建設業界では、AIでは実現できないアイデア・発想力を持つことが重要になるかもしれません。

建設業界においても、今後はIT技術が浸透していくと考えられています。

ただし、建築関係のデザインについては、機械ではなく人間の知恵や発想が重視される場面も多いでしょう。

業界としての課題であるデジタル化の遅れを解消しつつ、デジタルでは実現しにくいアイデアを考える力を養うことが、今後の建築業界において重要な能力といえるのではないでしょうか。

建設業の職種に関するよくある質問

建設業の職種は何種類ありますか?

明確に「何種類」と定められた公式の区分はありません。大きくは「施工管理職」「設計職」「工事・技術職」「営業・事務・管理職」の4分類に整理でき、そこからさらに細かい職種に分かれます。なお、建設業許可の「業種」であれば建設業法で29業種と定められています。

建設業の「業種」と「職種」は何が違いますか?

業種は会社が請け負う工事の種類、職種は人が担当する仕事の役割を指します。1つの業種の会社の中に、複数の職種の人が働いています。

未経験でも建設業の職種に就けますか?

職種によります。職人や施工管理の補助職は未経験からの採用も行われていますが、設計職や有資格者が前提となる職種では、資格取得や実務経験が求められます。

建設業で年収が高い職種はどれですか?

職種別の年収については「建設業で儲かる業種は?仕事内容や業界の現状も含めた詳細について」で解説しています。

まとめ:建設業の職種は多岐にわたり、それぞれ適性がある

今回は、建設業の職種とそれぞれに関連する内容について、以下のとおり解説しました。

建設業の仕事は多岐にわたり、それぞれが建設物を作り出すうえで重要な役割を担っています。

今後建設業での就業を目指すうえでは、職種ごとの役割に加え、適性や業界としての現状・課題、今後求められる人材の傾向をしっかり理解しておくことが大切です。

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