建設工事では、複数の作業を決められた工期の中で進める必要があります。
基礎工事が終わらなければ次の工程へ進めない、設備工事が完了しなければ仕上げ工事を進められないなど、それぞれの作業には順序や依存関係があります。
こうした工程の中で、工事全体の完了時期に直接影響する一連の作業経路を「クリティカルパス」といいます。
クリティカルパス上の作業が遅れると、後続工程にも影響し、工事全体の完成が遅れる可能性があります。そのため、施工管理ではすべての工程を同じように見るのではなく、特に工期への影響が大きい作業を把握して管理することが重要です。
また、工事が進むにつれて作業日数や工程の順序が変われば、クリティカルパス自体が変化する場合もあります。実際の進捗を工程表へ反映しながら、継続的に見直す必要があります。
本記事では、建設業におけるクリティカルパスの意味や工程管理との関係、工程表からの見つけ方・求め方、具体例から管理のポイントまでわかりやすく解説します。
「工事の遅れに気づくのがいつも直前になってしまう...」「工程変更を職人や協力会社へ共有するのに時間がかかっている...」
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建設業におけるクリティカルパスとは

クリティカルパスとは、プロジェクト開始から完了までの複数の作業経路のうち、完了までに最も長い時間を必要とする経路です。
クリティカルパスによって、工事を最短でいつ完成できるのかを把握できます。
工事では、複数の工程を同時並行で進められる場合があります。そのため、すべての作業日数を単純に足したものが工期になるわけではありません。
作業同士の順序や依存関係を整理し、完成までにつながる各経路の所要日数を計算することでクリティカルパスを特定します。
クリティカルパスと工程管理の関係
工程管理とは、工事を予定した工期内に完成させるために、作業の順序や期間、進捗状況などを管理する業務です。
工程管理では、工事に必要な作業を工程表へ落とし込み、どの作業をいつ実施するのか、どの作業が完了したら次へ進めるのか、現在どこまで工事が進んでいるのかなどを確認します。
クリティカルパスは、この工程管理において「どの工程を特に注意して管理する必要があるのか」を判断するために使われます。
すべての工程が同じように工期へ影響するわけではありません。
数日遅れても工事全体の完成日に影響しない作業がある一方で、わずかな遅れが竣工日に直接影響する作業もあります。
クリティカルパスを把握することで、工期への影響が大きい工程を優先して管理できます。
クリティカルパスとクリティカルタスクの違い
クリティカルパスとクリティカルタスクは似た言葉ですが、指している範囲が異なります。
クリティカルタスクとは、工期に余裕がなく、その作業が遅れるとプロジェクト全体の完了が遅れる可能性がある個々の作業です。
一方、クリティカルパスは、それらのクリティカルタスクが連続した一連の経路を指します。
・クリティカルタスク:工期に直接影響する個々の重要作業
・クリティカルパス:クリティカルタスクが連続した作業経路
そのため、クリティカルパスを管理する際には、経路全体を見るだけではなく、その中に含まれる各クリティカルタスクの進捗も確認する必要があります。
クリティカルパスと余裕時間(フロート)の関係
フロートとは、各作業が工程全体に影響を与えずに遅らせることができる時間的な余裕です。
工程管理で代表的に使われるのが「トータルフロート」と「フリーフロート」です。
トータルフロートとは、工事全体の完成日を遅らせることなく、その作業を遅らせることができる時間です。
一方、フリーフロートとは、直後の作業の開始時期を遅らせることなく、その作業を遅らせることができる時間を指します。
たとえば、ある作業を3日遅らせても工事全体の完成日は変わらないものの、後続作業は1日後ろ倒しになる場合、
・トータルフロート:3日
・フリーフロート:1日
という考え方になります。
クリティカルパス上にある作業は、一般的にトータルフロートが0となります。
そのため、クリティカルパス上の作業が1日遅れると、ほかの工程を短縮しない限り、工事全体の完成日も1日遅れる可能性があります。
一方、クリティカルパス以外の作業でも、トータルフロートが1日や2日しか残っていない場合は注意が必要です。
わずかな遅延によって新たなクリティカルパスになる可能性があるため、工程管理では現在のクリティカルパスだけでなく、フロートが少ない「準クリティカルな工程」まで把握することが重要です。
建設業でクリティカルパスが重要な理由
①工事全体の工期を把握できる
クリティカルパスを求めることで、その工事を完成させるために最低限必要となる期間を把握できます。
作業には、それぞれ前後関係があります。
前の作業が完了しないと開始できない作業もあれば、別の作業と並行して進められるものもあります。
こうした関係を整理したうえで、工事開始から完成までにつながる経路を比較します。
その中で最も日数の長い経路がクリティカルパスとなり、その経路の所要期間が工事全体の完成時期を左右します。
工程表を作成する際にクリティカルパスまで確認することで、設定した工期に無理がないか判断しやすくなります。
②工期に影響する重要な作業を把握できる
建設工事には多くの作業がありますが、すべてが同じ程度に工期へ影響するわけではありません。
ある作業が1日遅れても、後続工程までに余裕があれば工期に影響しない場合があります。
一方、クリティカルパス上の作業には基本的に余裕がありません。
つまりクリティカルパスを把握することで、「遅れる可能性がある作業」ではなく、「遅れたら工期へ影響する作業」を特定できます。
重点的に管理する工程が明確になれば、現場監督も限られた時間を重要な工程へ集中できます。
③工程の遅延を早期に発見・対策できる
クリティカルパス上の作業について予定と実績を比較していれば、工事全体の遅延リスクを早期に把握できます。
作業が予定より遅れている場合には、人員を追加したり、重機を追加したり、後続工程の順序を変更したりするなどの対策を検討できます。
重要なのは、工期直前になってから遅延に気づくのではなく、クリティカルタスクの段階で異常を把握することです。
国土交通省・国土技術政策総合研究所の資料でも、作業進捗が計画より遅れている場合には遅延要因を把握し、工程を変更した場合にはクリティカルパスが変更されたか確認する考え方が示されています。
参考:国土交通省・国土技術政策総合研究所「プロジェクトマネジメントの手引き」
https://www.mlit.go.jp/common/001067855.pdf
クリティカルパスの見つけ方・求め方

クリティカルパスを求めるには、工事で必要となる作業を洗い出し、それぞれの所要日数と依存関係を整理します。
基本的な流れは、
作業の洗い出し → 所要日数の設定 → 依存関係の整理 → 経路ごとの日数計算 → 最長経路の特定
です。
クリティカルパスをより正確に求める際には、単純に各経路の日数を比較するだけでなく、各作業の「最も早く開始・終了できる時点」と「工期を遅らせずに最も遅く開始・終了できる時点」を計算します。
主に使用するのが、以下の4つです。
・ES(Earliest Start):最早開始時刻
・EF(Earliest Finish):最早終了時刻
・LS(Latest Start):最遅開始時刻
・LF(Latest Finish):最遅終了時刻
工程の開始側からES・EFを求める計算を「フォワードパス」、完成側からLS・LFを逆算する計算を「バックワードパス」と呼びます。
これらを計算することで各作業のトータルフロートを求め、時間的な余裕がない作業を特定できます。
①工事に必要な作業を洗い出す
まずは、工事を完成させるまでに必要となる作業を洗い出します。
建築工事であれば、仮設工事、土工事、基礎工事、躯体工事、屋根工事、設備工事、内装工事、仕上げ工事、検査など、施工内容を工程単位に分解します。
作業単位が大きすぎると依存関係や遅延状況を把握しにくくなります。
一方、細かく分けすぎると工程表が複雑になり管理しにくくなるため、現場で進捗を確認できる程度の単位に整理しましょう。
②各作業の所要日数を設定する
作業を洗い出したら、それぞれに必要となる日数を設定します。
所要日数は、施工数量や必要人工、職人の人数、使用する重機、施工方法、過去の工事実績などをもとに設定します。
工程表全体の精度は、各作業の日数設定に左右されます。
実際には10日必要な作業を5日として設定していれば、クリティカルパスを正しく求めても現実的な工期にはなりません。
自社の過去実績や現場条件を踏まえ、無理のない作業期間を設定することが重要です。
③作業の順序と依存関係を整理する
続いて、各作業の前後関係を整理します。
「A作業が終わってからB作業を開始する」という関係がある場合、Aが先行作業、Bが後続作業となります。
建設工事では、
基礎工事 → 躯体工事 → 内装工事
のように、前工程の完了が次工程の開始条件となるケースがあります。
一方、条件によっては複数の工程を並行して施工できる場合もあります。
こうした関係をネットワーク状に整理することで、工事開始から完成までの複数の経路が見えてきます。
④各経路にかかる日数を計算する
作業の依存関係を整理したら、工事開始から完成までにつながる経路ごとに所要日数を計算します。
たとえば、
経路A:5日+10日+8日+7日=30日
経路B:5日+6日+9日+5日=25日
という2つの経路があるとします。
この場合、経路Aの方が完成までに長い時間が必要です。
並行して進められる作業があっても、工事全体の完成には最も時間のかかる経路が完了するまで待つ必要があります。
⑤最も所要時間が長い経路を特定する
すべての経路の日数を比較し、最も所要期間が長い経路を特定します。
先ほどの例では、
経路A:30日
経路B:25日
となるため、経路Aがクリティカルパスです。
経路Bには5日程度の時間的余裕があります。
一方、経路Aに含まれる作業が1日遅れれば、ほかの条件が変わらない限り完成時期も1日延びることになります。
実際の建設工事では多数の作業と複雑な依存関係が存在するため、工程管理システムなどを活用して工程を整理する場合もあります。
⑥ES・EF・LS・LFからフロートを確認する
複数の作業経路を整理したら、各作業のES・EF・LS・LFを計算し、どの作業に時間的な余裕があるのかを確認します。
基本的な関係は以下の通りです。
EF=ES+作業日数
また、トータルフロートは、
トータルフロート=LS-ES
または、
トータルフロート=LF-EF
で求めることができます。
トータルフロートが0となる作業は、その作業が遅れると工事全体の完成時期にも影響する可能性があります。
こうした作業をつないだ経路がクリティカルパスです。
単純な工程であれば各経路の日数を比較するだけでもクリティカルパスを把握できますが、工程数が増えて依存関係が複雑になるほど、ES・EF・LS・LFを使ってフロートまで計算する方法が有効になります。
また、工事の途中で作業日数や工程順序が変わった場合は、ES・EF・LS・LFも変化します。
そのため、一度計算した結果を固定して使うのではなく、実際の進捗に合わせて再計算することが重要です。
建設工事におけるクリティカルパスの具体例

クリティカルパスは、実際の工程に置き換えて考えると理解しやすくなります。
ここでは、簡略化した建築工事を例に確認します。
建築工事におけるクリティカルパスの例
次のような工程があるとします。
基礎工事:10日
躯体工事:20日
屋根工事:10日
内装工事:15日
外構工事:8日
完了検査:2日
仮に、
基礎工事 → 躯体工事 → 屋根工事 → 内装工事 → 完了検査
という経路で進む場合、合計57日です。
一方、躯体工事後に外構工事を並行して進め、
基礎工事 → 躯体工事 → 外構工事
という経路が38日で完了するのであれば、工事全体の完成を決めているのは57日かかる前者です。
したがって、
基礎工事 → 躯体工事 → 屋根工事 → 内装工事 → 完了検査
がクリティカルパスとなります。
実際の建築工事では工程がさらに細かく分かれ、設備工事や検査、資材納入なども影響するため、より複雑な工程になります。
クリティカルパス上の工程が遅れた場合
先ほどの例で、クリティカルパス上にある内装工事が予定より3日遅れたとします。
内装工事にフロートがなければ、後続する完了検査の開始も3日遅れます。
その結果、工事全体の完成日も3日遅れる可能性があります。
このような場合は、遅れが確定する前に進捗を確認し、人員を増員する、作業範囲を分けて並行施工する、後続作業との順序を調整するなどの対策を検討します。
工期を短縮する代表的な方法として、「クラッシング」と「ファストトラッキング」があります。
クラッシングとは、人員や重機などのリソースを追加投入し、クリティカルパス上の作業期間を短縮する方法です。
一方、ファストトラッキングとは、本来は順番に実施する予定だった作業の一部を並行して進めることで、工期を短縮する方法です。
ただし、クラッシングでは人件費や重機費などのコストが増加し、ファストトラッキングでは手戻りや作業干渉のリスクが高まります。
そのため、単純に「遅れているから人を増やす」「工程を重ねる」のではなく、追加コストや施工品質、安全性への影響まで考慮して判断する必要があります。
また、短縮する対象は原則としてクリティカルパス上の作業です。
フロートが十分にある別工程を短縮しても、工事全体の完成日は変わらない場合があります。
どの工程を短縮すれば工期全体が短くなるのかを判断できることも、クリティカルパスを把握する大きなメリットです。
クリティカルパス以外の工程が遅れた場合
クリティカルパス以外の作業には、一定のフロートが存在する場合があります。
先ほどの外構工事に5日間の余裕があり、2日遅れたとしても、その範囲内であれば工事全体の完成日に影響しない可能性があります。
ただし、「クリティカルパスではない=遅れても問題ない」という意味ではありません。
5日の余裕がある作業が6日遅れれば、元々のクリティカルパスより長くなり、新たなクリティカルパスになる可能性があります。
工程の進行に伴って各作業のフロートも変化するため、最新の進捗を反映して確認することが重要です。
クリティカルパスを管理する際のポイント
クリティカルパスは、工程表を作成した段階で一度確認すれば終わりではありません。
天候や資材納入、人員不足、設計変更などによって工程は変化します。
実際の進捗状況に合わせて見直し、必要に応じて工程計画を変更しましょう。
工程の進捗に応じてクリティカルパスを見直す
工事が進むと、当初の予定通りに進まない工程が出ることがあります。
クリティカルパスではない作業が大幅に遅れれば、その経路が新たなクリティカルパスになる可能性があります。
そのため、
当初工程 → 実績入力 → 工程更新 → クリティカルパス再確認
という流れを繰り返すことが重要です。
国土交通省・国土技術政策総合研究所の資料でも、工程に変更が生じた場合には、クリティカルパスの変更を確認する考え方が示されています。
月初に作成した工程表を月末までそのまま使うのではなく、実際の進捗に合わせて更新しましょう。
クリティカルパス上の作業を優先的に管理する
現場監督がすべての工程を同じ密度で確認するのは難しい場合があります。
そこで、クリティカルパス上の作業を優先的に管理します。
特に、
・作業開始が予定通りできるか
・必要な職人を確保できているか
・資材が期日までに届くか
・重機を確保できているか
・前工程が予定通り完了するか
などを事前に確認します。
工程が始まってから問題に気づくのではなく、クリティカルタスクの開始前に遅延要因を取り除くことが重要です。
人員・資材・重機を適切に配置する
クリティカルパス上の作業が遅れそうな場合は、優先的に経営資源を配置する判断も必要です。
職人を追加したり、必要な重機を優先的に確保したりすることで工程を維持できる場合があります。
ただし、人員を増やせば必ず作業時間が短縮するとは限りません。
作業場所が狭ければ人数を増やしても生産性が上がらない場合があり、追加人員によって原価が増える可能性もあります。
工程だけを見るのではなく、人員・資材・重機の状況も含めて管理しましょう。
工程間の余裕時間を把握する
クリティカルパス以外の作業については、フロートを把握しておくことが重要です。
余裕時間が10日ある作業と1日しかない作業では、同じ非クリティカル作業でも遅延リスクが異なります。
特にフロートが少なくなっている工程は、クリティカルパスに近い状態です。
現在のクリティカルパスだけに集中するのではなく、その周辺にある余裕の少ない工程まで確認することで、次に発生する遅延リスクを把握しやすくなります。
クリティカルパスを活用して工程管理を効率化する方法

クリティカルパスを工程管理へ活用するには、作成した工程表を現場の進捗に合わせて継続的に更新することが重要です。
工程表が最新の状態になっていなければ、どの作業がクリティカルなのかも正しく判断できません。
工程表の作成方法や情報共有の方法を見直し、工程管理を効率化しましょう。
工程表を作成して進捗状況を可視化する
まずは、作業内容・日程・依存関係を工程表で可視化します。
建設業では、バーチャート工程表やガントチャート、ネットワーク工程表などが使用されます。
特にクリティカルパスを把握する場合は、作業同士の依存関係を確認できるネットワーク工程表が有効です。
一方、日々の現場管理ではバーチャートなど、関係者が進捗を確認しやすい形式を併用する方法もあります。
クラフトバンクでも、建設業で利用できる工程表のExcelテンプレートを無料で公開しています。
クラフトバンク「工程表」無料Excelテンプレート
https://craft-bank.com/template/koteihyo-org/
関係者間で工程の変更を共有する
工程管理では、工程を作成すること以上に「変更した情報を関係者へ共有すること」が重要です。
現場監督が工程変更を把握していても、職人や協力会社へ伝わっていなければ、古い予定のまま人員や資材を手配してしまう可能性があります。
工程を変更した際には、
工程変更 → 影響範囲の確認 → 関係者への共有 → 人員・資材の再調整
まで一連の業務として行いましょう。
国土交通省・国土技術政策総合研究所の資料でも、工程などの情報を更新するだけではなく、その内容をプロジェクトメンバーへ共有することの重要性が示されています。
参考:国土交通省・国土技術政策総合研究所「プロジェクトマネジメントの手引き」
https://www.mlit.go.jp/common/001067855.pdf
工程管理システムを活用する
工事件数や関係者が増えると、Excelやホワイトボードだけで最新の工程を共有することが難しくなる場合があります。
担当者ごとに別々の工程表を保存していると、
「どのファイルが最新版かわからない」
「工程変更を職人へ伝え忘れた」
「別の現場と職人の予定が重なった」
といった問題も起こりやすくなります。
そこで、工程や職人の予定を一元管理できるシステムを活用する方法があります。
クリティカルパスを実際の工程管理で活かすには、重要な工程を把握するだけではなく、その変更に合わせて人員や重機などを動かすことが必要です。
クラフトバンクオフィスでは、ホワイトボードのような形式で現場のスケジュールを管理でき、職人や車両・重機などの予定も一元管理できます。
そのため、
工程変更を確認 → 職人の予定を変更 → 必要な車両・重機を調整 → 関係者へ共有
という現場管理を効率化できます。
クリティカルパスを把握しても、工程表が更新されなかったり、変更内容が現場へ伝わらなかったりすれば、実際の遅延防止にはつながりません。
工程と人員・車両・現場情報を一元管理し、変更内容を迅速に共有できる体制を整えることで、工程遅延を防ぎやすくなります。
クラフトバンクオフィスはこちら
https://craft-bank.com/office/
まとめ
クリティカルパスとは、工事開始から完成までの作業経路のうち、最も長い時間を必要とし、工事全体の完成時期を左右する経路です。
クリティカルパス上の作業は基本的に時間的な余裕が少なく、作業が遅れると工事全体の完成日にも影響する可能性があります。
クリティカルパスを求める際には、工事に必要な作業を洗い出し、所要日数と作業同士の依存関係を整理したうえで、各経路の所要日数を計算します。その中で最も時間のかかる経路がクリティカルパスです。
ただし、クリティカルパスは工事開始時に一度決めれば変わらないものではありません。
作業の遅れや工程変更によって別の経路がクリティカルパスになる可能性があるため、実際の進捗を工程表へ反映しながら継続的に見直す必要があります。
また、工程の遅れを防ぐには、クリティカルパスを特定するだけではなく、重要な作業へ適切に人員・資材・重機を配置し、工程変更を職人や協力会社へ速やかに共有することが重要です。
Excelやホワイトボードによる工程管理が複雑になっている場合は、工程や人員、現場情報を一元管理できるシステムの活用も検討しましょう。